★自分でもわからないことがあります★
歯並びの悪さが気になると来院した女医さん。
上下の前歯の凹凸が激しく、歯磨きもままならないと悩んでの受診でした。
早速診察をすると、前歯だけではなく、ご本人も気づいていなかった奥歯にもかみ合わせの問題が見つかりました。
上下の奥歯は全くかみ合わず、上の歯が下の歯の外側に向かって生えているため、自由に動くべき下の顎はまるでロックされたように運動制限を受けていました。これでは食事をしても奥歯ですりつぶすという役割は果たせません。治療は「咬合不良」「顎の運動不良」の改善が目標となりました。
このような奥歯の噛み合わせの状態を「ハサミ状咬合」と言い、多くの場合治療法として「抜歯」ないしは「歯の切断」と言われる可能性が高いのですが、矯正治療では歯を動かすことによって正常な位置に戻すことができます。
もちろんこの方も、歯を傷つけることなく、ましてや抜くこともなく、奥歯については半年ほどでほぼ治ってしまいました。
下顎がロックされた状態が当たり前になっていたこの方は、ハサミ状咬合が治るにつれて「下顎は左右に動かせる」ということを初めて知ったと同時に、さらには長年続いていた「頭痛」が治ってしまいました。
「かみ合わせの大切さに改めて気づいた」と話してくれました。