「口ゴボ」と美の基準
近頃、美醜の判断の材料として話題になっているのが「口ゴボ」。
人は一体何を見てそのような評価を下すのでしょうか?
目?鼻?唇?それとも歯並び?
いうまでもなく、人の顔は千差万別。
しかし人種の違いを問わず比較的共通した美の基準としては「Eライン(エステティックライン)」がよく知られています。
これは鼻尖(びせん、鼻の先のこと)とオトガイ(顎の先)を一直線に結んだラインのことです。
この一直線上に上下の唇の先端が軽く接していることが、すなわち「美しい容貌である」と多くの人は感じているようです。
鼻が高いか低いか、あるいは顎が出ているか引っ込んでいるかという、人それぞれの特徴によってEラインの角度は異なるわけですが、「美しい」と感じるのは「Eラインから上下の唇が突出しているかどうか」という点を人々は無意識に見ていると考えられています。
例えば美しく穏やかな顔立ちの象徴とされる、京都・広隆寺の「弥勒菩薩像」の顔、西洋であればあの「ミロのビーナス」を想像してみてください。
いずれの横顔もEラインが整っており、洋の東西を問わず美しいと感じる基準となっていることがわかります。
一方鼻が低く顎が小さいと、結果として「口ゴボ」の顔貌を呈することになります。
これに照らしてみると、いわゆる「口ゴボ」は美しいEラインの基準から逸れているといわざるを得ません。